ドラマ

日曜スペシャルドラマ 光抱く友よ

  • hoge

[東海テレビ]
2006年2月12日(日)16:05~17:20(全1話)

高樹のぶ子の芥川賞受賞作品をドラマ化

瀬戸内の町に暮らす相馬涼子(前田亜季)は高校三年生。憧れの担任・三島良介(賀集利樹)にバースデーカードを渡そうと、放課後、職員室へ向かう。すると、階段の踊り場から、三島の怒鳴り声とクラスメート・松尾勝美(加藤夏希)の声が聞こえてきた。日頃から欠席が多く、二年留年している勝美は二十歳。素行も悪く、三島は普段見せたことのない横暴な態度で、勝美を叱責していた。帰り道、涼子は勝美をつかまえ、事情を聞く。勝美は一通の手紙を見せる。それは三島宛に勝美の母・千枝(池上季実子)が書いたもので、勝美の欠席の理由が自分の病気にあることが述べられていた。が、そのあまりにも拙い文字に、三島は勝美が小細工したものだと邪推し、先ほど激怒していたのだ。勝美は涼子に手紙の代筆を頼む。涼子は三島に抗議しようと憤慨する。が、勝美は手紙のことを口止めし、特に母親の耳に入ったらただではすまない、と涼子を脅かす。「人間には辛抱できる辛さと、できん辛さがあるんよ」と言って勝美は立ち去る。翌日、涼子は代筆した手紙を持参するが、勝美は遅刻してくる。勝美が黒人兵と交際しているとか、中絶の経験があるとか、噂をするクラスメートたち。三島は涼子の書いた手紙をあっさりと信じ込む。二学期の終業式の帰り、涼子は勝美に誘われて、勝美の家へ行く。そこは小さなホルモン焼きの店だった。勝美は母子家庭。狭い部屋いっぱいに星の写真が貼ってあった。勝美の別の一面を知る涼子。アルコール依存症の千枝は暴言を吐き、勝美との間で壮絶な喧嘩が始まる。泣きながら千枝を殴る勝美の姿に、いたたまれなくなる涼子。新学期、勝美は千枝の入院のため、欠席が続く。一人で店を切り盛りしているというので、涼子は勝美のたくましさに感心する。そんな折、涼子はスーパーで勝美母娘の姿を見かける。まだ精算のすんでいないりんごを食べ始めた千枝は従業員とトラブルを起こし、買い物客たちに好奇の目で見られる。寄り添うように帰っていく二人の後姿を、複雑な思いでながめる涼子。ある夜、涼子は、星を一緒に見ようと勝美を家へ招待する。大学教授の父・卓治(渡辺いっけい)が遺伝子の話を始めたので、どぎまぎする涼子。勝美は親子がそっくり同じになるとは限らない、ときっぱり言う。勝美は人前もはばからず煙草を吸ったり、卓治に媚びるように店の宣伝をしたりする。帰り道、 涼子は、自分の価値観をひっくり返してくれた勝美に魅かれ、精一杯生きているその姿が好きだったが、今日のように投げやりなところを見せる勝美はただの不良にしか見えないと言うが、勝美は意にかえさない。涼子は東京の大学を受ける決心をする。母親の和江(宮崎美子)は反対するが、自分の道は自分で選びたいと宣言する。海辺で、涼子は男たちと酒盛りをしている千枝を見つける。千枝は自分たちを捨てた夫や、親不孝な娘への恨みをわめき散らす。勝美を弁護するため、涼子は思わず、手紙のことを口にする…。

【原作】高樹のぶ子「光抱く友よ」(新潮文庫)
【脚本】清水曙美
【演出】小田切正明
【出演】前田亜季、加藤夏希、池上季実子、渡辺いっけい、宮崎美子、賀集利樹、小松愛、門倉エリー、蛭子能収、春田純一、内田量子、河村房枝 ほか

【製作著作】テレパック

【プロデューサー】沼田通嗣
【AP】山崎美春

  • ☆第61回芸術祭優秀賞受賞
  • ☆2006年日本民間放送連盟賞(テレビドラマ部門・優秀)入選