月曜ゴールデン 内田康夫サスペンス
浅見光彦シリーズ35 風のなかの櫻香
[TBS]
2016年3月28日(月)21:00~22:54(全1話)
尼寺で育った櫻香を苦しめる逃れられられない定めとは?女の園を揺るがす連続殺人事件の謎を光彦が解き明かす。歴史ロマン漂う古都・奈良と三重県・志摩を舞台にお届けする速水もこみち主演の旅情サスペンス第4弾。浅見光彦(速水もこみち)は、女の園である尼寺での尼僧の暮らしぶりを取材するため、古都・奈良にある尊宮寺を訪れる。光彦はその尊宮寺に向かう途中、櫻香(志田未来)という女性と偶然出会う。櫻香は5歳の時に児童養護施設から尊宮寺に引き取られた。御前様と呼ばれる朝比奈慶尊(高林由紀子)の庇護を受け、春日経円(佐藤仁美)を母親代わりにごく普通の女性として育てられ、今は19歳となっていた。尼僧になるかは櫻香の意思に委ねられてはいたが、ここに来たのも何かの運命と得度式を受けることを心の中で決めていた。男子禁制の尊宮寺だが、慶尊御前の特別な計らいで光彦は取材を許された。突然現れたイケメン男子の訪問に質素な生活を続けていた尼僧たちのざわめきは隠せない。櫻香に寺を案内される光彦だが、すでに興味の先は捨て子だったと語る櫻香の境遇へと移っていた。その興味をさらにかきたてられたのは、慶尊から見せられた「櫻香を出家させるな」と書かれた差出人不明の手紙。櫻香の力になって欲しいと頼まれた光彦だが、慶尊にその理由を尋ねても多くを語ってもらえない。そんな折、帰りがけに寺の様子を伺う男を見かける光彦。しかし、険しい表情の男を覆い隠すように、突然現れた女性がその場から男を連れ去って行った…。翌日、光彦の母・雪江(佐久間良子)が尊宮寺にやって来たことで、慶尊と雪江が旧知の仲だったとを知る。光彦は、改めて櫻香の出生にまつわる過去を聞く。櫻香の母は、恋人が三重県・志摩の大王崎から飛び降り自殺して亡くなった後、彼の子を身ごもっていることが判明するが、ひとりでは育てられないと児童養護施設の前に櫻香を置いて逃げてしまったのだという。母の名は高原紫というらしい。自身の出生の事情を知った櫻香は、光彦を伴い母親を訪ねて志摩へと向かう。志摩で高原紫という名前だけを頼りに聞き込みをして回る光彦と櫻香は、尊宮寺で見かけた謎の女性を見かける。地元の人の話によるとその女性は、志摩では一番の資産家で由緒ある名家・月舘エンタープライズのお手伝い・七原聖子(石野真子)だという。聖子の後を追い月舘家にやってきた2人は、玄関前で月舘家執事・荒井元博(前田吟)が業界紙の記者だという葛谷健司(趙?和)と何やら押し問答をしているところに出くわす。その時の光彦はまだ、葛谷が絡む殺人事件に巻き込まれることなど知る由もなかった…。その後、光彦は櫻香を奈良に帰らせ、改めて月舘家を訪れ、聖子から話を聞く。櫻香の母・紫は月舘家のお手伝いとして働いていたが、跡取り息子・春行(二階堂智)と愛し合っていた。春行は紫との結婚を当主の正行(品川徹)に願い出たが許されず、思い詰めて自殺。それを知った紫はショックを受け、春行の死後に産んだ櫻香を施設に預けたすぐ、後を追うように自殺したという。この話が事実ならば、櫻香は月舘家当主・正行のたったひとりの血縁者ということになる。しかし、その後の調べで春行の遺体が発見されていないことを知った光彦は、春行は生きており、寺の様子を伺っている男が手紙の主が春行なのではと勘付く。櫻香と春行を会わせるべく志摩に急いだ光彦だが、その矢先に事件が起きてしまう。漁港で発見された水死体が春行だったのだ…。現場に駆けつけた光彦が春行の素性に詳しかったことから、またしても警察に怪しまれ署に連行されてしまう。三重県捜査一課の警部・越智大介(岡田圭右)の厳しい追求にあう光彦だが、シンポジウムに参加するために三重県入りしていた兄・陽一郎(風間杜夫)が志摩署に突如現れ救われる。やがて事件は急展開。出生の秘密を知った櫻香が行方不明となり、一億円の身代金を要求する脅迫電話が月舘家に入る。光彦は、最悪の事態を防ぐため兄・陽一郎にある人物の調査を依頼する。櫻香の安否を巡り緊張が高まるなか、光彦の推理は事件の真相に迫っていく──。
【原作】内田康夫「風のなかの櫻香」徳間文庫
【脚本】石原武龍
【出演】速水もこみち、佐久間良子、風間杜夫、志田未来、石野真子、佐藤仁美、高林由紀子、岡田圭右(ますだおかだ)、前田 吟 ほか
【製作著作】テレパック
【プロデューサー】矢口久雄
【ディレクター】村上牧人