ドラマ

土曜ワイド劇場  棘の街 刑事 上條元

  • moja

[ABC]
2011年6月18日(土)21:00~22:51(全1話)

1年前、小さな港町で誘拐事件が起きた。誘拐されたのは、母親と二人暮らしの少年、上杉光良(大和田健介)。警察は身代金の受け渡し場所で犯人の確保を狙うが、現場で指揮を執った県警の刑事、上條元(仲村トオル)の勇み足から失敗。以降、犯人からの連絡は途絶え、事件は未解決のまま上條は捜査本部から外される。1年後、事件が動き出す。誘拐された光良が遺体となって発見されたのだ。県警にいた上條は事件を管轄する格下の北嶺署に異動を願い出、再び港町へと戻ってくる。そんな上條を出迎えたのは、緊張感を欠いた捜査本部の面々と、高校時代の同級生で自称実業家のヤクザ、小野里康永(杉本哲太)だった。上條にとって北嶺は生まれ故郷。光良の母親、朋絵(有森也実)とは、かつての恋人という因縁があった。刑事としての責任か、それとも朋絵への贖罪か、捨てたはずの生まれ故郷に舞い戻った上條の事件解決にかける意気込みは怒りにも似ていた。誰とも馴染まず単独で行動する上條は、事件関係者への聞き込みを一からやり直す。その晩、上條は立ち寄ったバー『オープン・オールナイト』で、少年同士の暴力事件に遭遇する。被害少年(浅利陽介)は、警察も病院も嫌だと言い残し意識を喪失。上條は仕方なくバーのマスター、萩原明浄(森本レオ)に少年の身柄を預ける。『オープン・オールナイト』は、今は亡き上條の父が残した店だ。萩原は上條の帰郷を喜び、店に住むよう勧めるが、父に対する憎悪から街を捨てて出て行った上條は、その言葉に耳を貸すこともなく署へと戻っていく。翌日、上條は、光良が事件前、最後に目撃された書店で、『薬理学的 麻薬・ドラッグ大全』という毛色の違う本を購入していた新事実を突き止める。上條はすぐさま朋絵の家へ向かい、光良の部屋の捜索。当惑する朋絵の目の前で白い粉末を発見する。クスリにヤクザはつきものだ。朋絵が小野里と親しい関係にあると感じていた上條は、朋絵に二人の関係を問い質す。朋絵も否定はしなかった。だが、彼女は光良のことは驚くほど知らなかった。母親失格だと自らを責めながら。では、なぜ、光良はクスリを所持していたのだろう。実は上條にも一人、顔も見たことのない息子がいた。妻は息子の出産時に死亡。捜査で出産はおろか、妻の最期にも立ち会えなかった上條は、妻の両親の言うがまま、生まれたばかりの我が子を妻の実家の養子に出したのだった。報道カメラマンとして世界中を飛び回っていた父親が、母親の死に目に間に合わなかったことを恨み続けていた上條なのに…。バー『オープン・オールナイト』に預けられた少年は、意識は戻ったものの記憶が戻らない状態が続いていた。そんな少年の存在を頭の片隅におきながら、上條は精力的に捜査を続行。光良の部屋から見つかったクスリの線で聞き込みを続けると、ほどなく、ヤクザにも同じことを聞かれたという少年に行き当たる。やはり、小野里が絡んでいるのか。そんな中、上條は、亡き妻の父から連絡を受ける。面会に臨んだ上條は、義父から息子に関する悩みを打ち明けられるが…。

【原作】堂場瞬一「棘の街」幻冬舎
【脚本】八津弘幸、渡邉睦月
【出演】仲村トオル、浅利陽介、杉本哲太、有森也実、渡辺いっけい、六角精児、森本レオ、西岡德馬、温水洋一 ほか

【製作著作】テレパック

【プロデューサー】黒沢淳、小橋智子
【AP】山本裕也